不動産コラム

【町田・相模原】不動産購入の諸費用はいくら?FPが教える物件価格別シミュレーション

2025年12月11日

「家の価格以外に、どれくらいお金がかかるの?」
「諸費用って具体的に何にいくらかかるの?」

結論からお伝えすると、諸費用は物件価格の6〜10%が目安。町田市・相模原市エリアで3,000万円の物件を購入するなら、180〜300万円の諸費用が必要です。

この記事では、諸費用の内訳から物件価格別シミュレーション、町田・相模原エリアならではの相場感まで、FPの視点で徹底解説します。

この記事でわかること

諸費用の基本|物件価格の6〜10%が目安

不動産購入時には、物件価格以外にさまざまな費用がかかります。これを「諸費用」と呼びます。

物件タイプ 諸費用の目安 3,000万円の場合
新築マンション 物件価格の3〜6% 90〜180万円
新築戸建 物件価格の6〜9% 180〜270万円
中古マンション 物件価格の6〜10% 180〜300万円
中古戸建 物件価格の6〜10% 180〜300万円

なぜ新築と中古で違うのか?

新築マンションは売主が不動産会社のため仲介手数料がかからないことが多いです。一方、中古物件は仲介手数料(物件価格の3%+6万円+税)がかかるため、諸費用が高くなります。

諸費用の内訳と金額|何にいくらかかる?

諸費用は大きく4つのカテゴリーに分けられます。それぞれの項目と金額目安を見ていきましょう。

1. 契約時にかかる費用

項目 金額の目安 内容
印紙税 1〜3万円 売買契約書に貼る印紙代
手付金 物件価格の5〜10% 契約時に支払い、決済時に充当

印紙税の金額(売買契約書)

契約金額 印紙税
1,000万円超〜5,000万円以下 1万円
5,000万円超〜1億円以下 3万円

2. 住宅ローン関連の費用

項目 金額の目安 内容
融資事務手数料 3〜5万円 or 借入額の2.2% 金融機関への手数料
保証料 借入額の2%前後 or 金利上乗せ 保証会社への費用
印紙税 2万円 金銭消費貸借契約書用
団体信用生命保険 金利に含まれることが多い 返済中に万が一の場合の保険

3. 登記・税金関連の費用

項目 金額の目安 内容
登録免許税 15〜40万円 所有権移転・抵当権設定の税金
司法書士報酬 8〜15万円 登記手続きの代行費用
不動産取得税 0〜30万円 取得後3〜6ヶ月後に請求(軽減あり)
固定資産税精算金 数万〜十数万円 日割りで売主に支払い

4. 仲介・その他の費用

項目 金額の目安 内容
仲介手数料 物件価格×3%+6万円+税 不動産会社への報酬
火災保険・地震保険 10〜30万円(10年分) 住宅ローン利用時は必須
適合証明書取得費用 3〜5万円 フラット35利用時のみ

物件価格別シミュレーション|町田・相模原の相場で計算

町田市・相模原市エリアでよくある物件価格帯で、諸費用をシミュレーションしました。

【2,500万円】中古マンションの場合

町田市・相模原市では、駅から少し離れたエリアや築20年以上の物件でこの価格帯が多く見られます。

項目 金額
仲介手数料 89.1万円
融資事務手数料(2.2%) 55万円
登録免許税 20万円
司法書士報酬 10万円
印紙税(売買・ローン) 3万円
火災保険(10年) 15万円
固定資産税精算金 5万円
合計 約197万円(7.9%)

【3,500万円】中古戸建の場合

町田駅・相模大野駅から徒歩15〜20分圏内、または鶴川・成瀬エリアの築15年前後の戸建でこの価格帯が中心です。

項目 金額
仲介手数料 122.1万円
融資事務手数料(2.2%) 77万円
登録免許税 30万円
司法書士報酬 12万円
印紙税(売買・ローン) 3万円
火災保険(10年) 25万円
固定資産税精算金 8万円
合計 約277万円(7.9%)

【4,500万円】新築戸建の場合

町田市南部や相模原市中央区の新築戸建でこの価格帯が多く、人気のエリアです。

項目 金額
仲介手数料 155.1万円
融資事務手数料(2.2%) 99万円
登録免許税 25万円
司法書士報酬 12万円
印紙税(売買・ローン) 3万円
火災保険(10年) 30万円
固定資産税精算金 10万円
合計 約334万円(7.4%)

町田・相模原エリアの諸費用目安

当エリアの物件相場は2,500〜4,500万円が中心。諸費用として200〜350万円を見ておくと安心です。

新築vs中古|諸費用の違いを比較

新築と中古では、諸費用に大きな差が出ることがあります。

項目 新築 中古
仲介手数料 なしの場合が多い(売主物件) 必要(物件価格の3%+6万円+税)
登録免許税 軽減税率あり 軽減税率の条件が厳しい
不動産取得税 軽減で0円になることも 築年数により軽減額が変わる
火災保険 構造が新しく安め 築年数により高くなることも

3,500万円の物件で比較すると…

諸費用 新築(売主物件) 中古
仲介手数料 0円 122.1万円
その他諸費用 約150万円 約155万円
合計 約150万円(4.3%) 約277万円(7.9%)
差額 約127万円の差

ただし、中古物件は物件価格自体が安いケースが多いため、総額で比較することが大切です。

諸費用を抑える5つの方法

1. 仲介手数料の交渉

方法 節約額の目安
仲介手数料の値引き交渉 10〜30万円
売主物件(新築)を選ぶ 100万円以上

2. 住宅ローンの比較検討

金融機関タイプ 事務手数料 保証料
都市銀行 3〜5万円 借入額の2%
ネット銀行 借入額の2.2% なし

借入額3,000万円の場合、ネット銀行の方が約6万円お得になることも。ただし、総額で比較することが大切です。

3. 火災保険の見直し

  • 複数社で見積もりを比較する
  • 不要な補償を外す(例:高台なら水災補償など)
  • 免責金額を設定する

見直しで5〜10万円節約できることもあります。

4. 登記を自分で行う(上級者向け)

司法書士報酬(8〜15万円)を節約できますが、手続きが複雑なためおすすめしません。

5. 軽減税率の適用を確認

軽減措置 条件 効果
登録免許税の軽減 床面積50平米以上など 税率が1/2〜1/5に
不動産取得税の軽減 床面積50〜240平米など 0円になることも

注意

諸費用を節約しすぎると、サービスの質が下がることもあります。安さだけで選ばず、サポート内容も確認しましょう。

要注意|仲介手数料無料の落とし穴

最近、「仲介手数料無料」を打ち出す不動産会社が増えています。

3,000万円の物件なら約105万円、4,000万円なら約138万円。これが無料になるなら、消費者にとって非常に大きなメリットに見えますよね。

しかし、安易に「無料だから」という理由だけで選ぶのは避けたほうがいいかもしれません。

仲介手数料無料のカラクリ

仲介手数料が無料になる仕組みには、いくつかのパターンがあります。

パターン 仕組み 注意点
売主から手数料をもらう 買主は無料、売主から受け取る 紹介できる物件が限られる場合がある
自社物件のみ対応 売主=不動産会社 選択肢が狭くなることがある
他の名目で費用請求 ローン代行手数料、事務手数料など 総額で見ると変わらないケースも

こんなケースに注意

すべての「仲介手数料無料」が悪いわけではありませんが、以下のようなケースもあります。

  • 紹介してもらえる物件の選択肢が狭くなることがある
  • 「ローン代行手数料」「コンサルティング費用」など別の名目で費用がかかることがある
  • 物件価格自体に手数料相当分が上乗せされているケースがある
  • 契約を急かされたり、サポートが手薄になることがある
  • 価格交渉や条件交渉に消極的になるケースがある

確認すべきポイント

確認項目 質問例
紹介できる物件 「REINS掲載物件すべて紹介してもらえますか?」
他の費用 「仲介手数料以外にかかる費用はありますか?」
サポート内容 「価格交渉や条件交渉もしてもらえますか?」
総額の見積もり 「諸費用の総額を出してもらえますか?」

FPからの注意

仲介手数料は、物件探しから契約、引き渡しまでのサポート全体への対価です。「無料」の裏側にどんな仕組みがあるのか、総額でいくらかかるのかを確認することが大切です。

単純に「仲介手数料無料だから」という理由だけで不動産会社を選ぶのではなく、サービス内容や担当者の対応、総額の費用を比較検討することをおすすめします。

諸費用以外にかかるお金も忘れずに

諸費用とは別に、以下の費用も忘れずに予算に入れましょう。

項目 金額の目安 備考
引越し費用 10〜30万円 時期・距離・荷物量による
家具・家電購入費 30〜100万円 エアコン、カーテン、照明など
リフォーム費用(中古) 50〜300万円 壁紙、水回り、フローリングなど
外構工事(戸建) 50〜200万円 駐車場、フェンス、植栽など
インターネット工事 1〜3万円 光回線の引き込みなど

重要

諸費用と入居後費用を合わせると、物件価格の10〜15%になることも。3,000万円の物件なら、300〜450万円を見ておくと安心です。

FPからのアドバイス|町田・相模原で家を買う方へ

町田市・相模原市エリアで15年以上、不動産とお金の相談を受けてきた経験からお伝えしたいことがあります。

諸費用で失敗しないための3つのポイント

1. 物件価格だけでなく「総額」で考える

物件価格3,000万円の場合、諸費用を含めると3,200〜3,300万円、入居後費用まで含めると3,300〜3,450万円が必要です。「物件価格=予算」ではないことを忘れないでください。

2. 諸費用は現金で用意するのが基本

住宅ローンに諸費用を組み込める金融機関もありますが、借入額が増える分、返済負担も増えます。できれば諸費用分は現金で用意しましょう。

3. 見積もりは複数パターンでもらう

同じ物件でも、住宅ローンの選び方や火災保険の内容で諸費用は変わります。複数パターンの見積もりをもらい、比較検討することをおすすめします。

町田・相模原エリアの諸費用まとめ

  • 物件価格の相場:2,500〜4,500万円
  • 諸費用の目安:200〜350万円(物件価格の6〜10%)
  • 入居後費用込み:300〜500万円(物件価格の10〜15%)

まとめ|諸費用で押さえるべき5つのポイント

  1. 諸費用は物件価格の6〜10%が目安。新築は3〜6%、中古は6〜10%。
  2. 仲介手数料の有無で諸費用は大きく変わる。新築売主物件は仲介手数料がかからないことが多い。
  3. 町田・相模原エリアでは諸費用200〜350万円を見ておくと安心。
  4. 仲介手数料無料には注意。サービス内容と総額で比較検討を。
  5. 入居後費用も含めると物件価格の10〜15%。予算計画は余裕を持って。

諸費用込みの資金計画をご提案します

FPマイスターホームでは、物件価格だけでなく諸費用・入居後費用まで含めた資金計画をご提案しています。

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